お店を開こうと考えたとき、初期費用を抑えられる居抜き物件はとても魅力的ですよね。でも、もともとある内装や設備を活かすとなると、一体どこまで自分好みのデザインに変えられるんだろう?と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。前の店舗のイメージが残ってしまわないか、理想のお店づくりは本当に可能なのか、考え始めると少し不安になってしまうかもしれません。この記事では、そんな居抜き物件のデザインの可能性と、知っておきたい注意点について、一つひとつ丁寧にお話ししていきます。あなたの理想のお店づくりを叶えるためのヒントを、一緒に見つけていきましょう。
居抜き物件のデザイン、どこまで自由に変えられる?
居抜き物件と聞くと、すでにあるものをそのまま使うイメージが強いかもしれません。でも実際には、想像以上に自由なデザイン変更が可能な場合が多いんですよ。もちろん、物件の構造や契約内容による制約はありますが、ポイントを押さえれば、しっかりと自分のお店らしさを表現することができます。ここでは、内装や設備、外観といった部分ごとに、どこまで手を入れることができるのかを見ていきましょう。
内装(壁・床・天井)の変更できる範囲
お店の雰囲気を大きく左右する壁や床、天井といった内装部分は、居抜き物件でも比較的自由に変更しやすい箇所です。例えば、壁紙を張り替えたり、色を塗り替えたりするだけで、空間の印象はがらりと変わります。床も同様に、既存の床材の上から新しいものを張る、あるいは一度剥がして全く違う素材に変えることもできます。カフェなら温かみのある木目の床に、美容室なら清潔感のあるタイル調にするなど、お店のコンセプトに合わせて選べますね。天井も、塗装を変えたり、照明器具を工夫したりすることで、空間に奥行きや個性を与えることができます。ただし、建物の構造に関わる壁(耐力壁)は取り払うことができないなど、専門的な判断が必要な部分もありますので、設計会社と相談しながら進めることが大切です。
厨房や水回りなど設備の入れ替え
飲食店の場合、特に気になるのが厨房設備ですよね。居抜き物件に残されている厨房機器は、そのまま使えるなら大きなコスト削減になります。もし、自分のお店の業態に合わない、あるいは老朽化しているという場合には、入れ替えることも可能です。ただし、注意したいのが給排水やガスの配管の位置です。これらを大きく移動させる工事は、費用も高額になりがちで、建物の構造によっては難しい場合もあります。トイレや手洗い場といった水回りも同様です。既存の配管を活かしつつ、どうすれば理想の動線や使い勝手を実現できるか、プロの視点からの提案が役立つ場面です。
意外と見落としがちな外観や看板の工事
お店の顔ともいえる外観や看板も、デザイン変更が可能な大切な部分です。外壁の色を塗り替えたり、入り口のドアのデザインを変えたりするだけでも、お店の第一印象は大きく変わります。看板は、お店の名前やロゴを伝える重要な要素ですから、前の店舗のものは撤去して、新しいものを取り付けたいですよね。こうした外観の工事も基本的には可能ですが、建物の管理規約や、地域の景観条例などによって、使用できる色や看板の大きさに制限が設けられていることがあります。工事を始める前に、こうしたルールをしっかりと確認しておくことが、後々のトラブルを防ぐことにも繋がります。
居抜き物件を選ぶメリットと注意しておきたい点
居抜き物件には、初期費用を抑えられるといった大きな魅力がある一方で、いくつか知っておきたい注意点もあります。メリットとデメリットの両方をきちんと理解しておくことが、物件選びで後悔しないための第一歩です。ここでは、居抜き物件が持つ良い面と、少し気をつけておきたい側面について、具体的にお話ししていきますね。
初期費用を抑えて開業できるという利点
居抜き物件を選ぶ最大の利点は、やはり開業にかかる初期費用を大幅に抑えられることでしょう。何もないスケルトン状態からお店をつくる場合、内装工事はもちろん、電気や水道、ガス、空調といった設備工事にも多額の費用がかかります。居抜き物件であれば、こうした内装や設備がすでに整っているため、それらをそのまま活用することで、数百万円単位でのコスト削減に繋がることも少なくありません。特に、厨房設備や空調、トイレなどが揃っている飲食店の居抜きは、開業資金を大きく圧縮できる可能性があります。浮いた資金を運転資金や広告宣伝費に回せるのは、経営者にとって大きな安心材料になりますね。
オープンまでの準備期間を短縮できる可能性
開業準備の期間を短くできることも、居抜き物件の嬉しい点です。スケルトン物件の場合、設計から内装工事、設備の搬入まで、オープンまでに数ヶ月から半年以上かかることもあります。その間の家賃は、売上がないまま払い続けなければなりません。一方、居抜き物件なら、大規模な工事が不要な場合も多く、内装のちょっとした手直しやクリーニング、備品の搬入だけで済むこともあります。工事期間が短縮できれば、その分早く営業を開始でき、家賃の負担を減らしながら、いち早く売上を立てることができます。スピーディーな開業を目指す方にとっては、とても心強い選択肢といえるでしょう。
前の店舗のイメージや設備の制約という側面
良いことばかりのように思える居抜き物件ですが、注意点もあります。その一つが、前の店舗のイメージが残ってしまう可能性があることです。例えば、地域で長く営業していたお店の跡地だと、新しいお店になっても、お客様は前の店の印象を引きずってしまうかもしれません。そのイメージを払拭するためには、外観や内装にしっかりと手を入れて、新しいお店の個性を打ち出していく工夫が必要です。また、残された設備の配置によって、厨房のレイアウトや客席の配置がある程度決まってしまうという制約もあります。設備の老朽化が進んでいて、結局は修理や買い替えで費用がかさんでしまった、というケースも考えられますので、物件探しの段階で専門家と一緒に設備の状況をしっかり確認することが大切です。
デザイン変更の前に必ず確認すべき3つのこと
理想の居抜き物件が見つかったら、いよいよデザインの計画、と心が逸るかもしれません。でも、その前に必ず確認しておかなければならない大切なことがあります。契約内容や設備の状況、そして法律に関わることです。これらを事前にしっかりと把握しておくことが、スムーズで安心な店づくりの鍵を握っています。ここでは、特に重要な3つの確認事項について、一つずつ見ていきましょう。
物件の契約内容と原状回復義務の範囲
まず何よりも大切なのが、物件の賃貸借契約書の内容を隅々まで確認することです。特に注意して読みたいのが、原状回復に関する条項です。これは、物件を退去する際に、どこまで元の状態に戻さなければならないかを定めたものです。例えば、壁紙を張り替えた場合、退去時に元の壁紙に戻す必要があるのか、それともそのままで良いのか。この範囲によって、行える工事の内容が大きく変わってきます。また、物件に残されている設備や内装が、誰の所有物なのかを明確にしておくことも重要です。前の借主から譲り受けたもの(造作譲渡)なのか、もともと大家さんの所有物なのかによって、修理の責任や扱いが変わってきます。契約を結ぶ前に、不動産会社や大家さんにしっかりと確認しましょう。
設備の劣化状況と残置物の扱い
内装がきれいでも、目に見えない部分が劣化していることは少なくありません。特に、厨房の換気ダクトや給排水管、空調設備などは、内部の状態を確認することが難しいものです。いざオープンしてから故障が見つかると、営業を止めなければならず、修理費用もかさんでしまいます。契約前には、できる限り専門家と一緒に内見し、設備の動作確認や劣化具合をチェックしてもらうことをおすすめします。また、前の店舗が残していったテーブルや椅子、食器などの残置物についても、どう扱うのかを決めておく必要があります。自分のお店で使わないものの処分費用は誰が負担するのか、契約前にきちんと話し合っておきましょう。
消防法や建築基準法などの法律や条例
お店を運営するには、消防法や建築基準法といった様々な法律を守る必要があります。居抜き物件の場合、前の店舗は適法な状態で運営されていたはずですが、内装を一部変更したり、お店の用途を変えたりすることで、新たな対応が必要になるケースがあります。例えば、壁を新設して個室を作ったことで、火災報知器やスプリンクラーの増設が必要になったり、避難経路の確保が問題になったりすることがあります。特に飲食店は、火を扱うため防火に関する規定が厳しく定められています。こうした法的なチェックは専門的な知識が求められるため、店舗設計の経験が豊富な設計会社に相談し、安全で法令を遵守したお店づくりを進めることが不可欠です。
「スケルトン物件」と「居抜き物件」の費用比較
お店づくりを考えるとき、物件選びは大きな分岐点です。内装や設備が何もない「スケルトン物件」と、前の店舗の設備が残っている「居抜き物件」。どちらを選ぶかによって、かかる費用や準備の進め方は大きく変わってきます。ここでは、それぞれの費用の違いや、どちらが自分にとって良い選択なのかを考えるためのヒントをお話しします。
工事費用の内訳にはどんな違いがある?
スケルトン物件の場合、お店を一からつくり上げるため、費用は多岐にわたります。床、壁、天井をつくる内装工事、電気やガス、水道、空調などの設備工事、そして厨房機器や家具の購入費用など、すべてが必要になります。自由な設計ができる反面、工事費用は高額になる傾向があります。一方、居抜き物件の場合は、既存の内装や設備を活かすことができるため、工事費用を大きく抑えられる可能性があります。主な費用は、壁紙の張り替えや床材の変更といった部分的な内装改修費、必要な設備の修理や交換費用、そして全体のクリーニング費用などです。ただし、どこまで改修するかにって、費用は大きく変動します。
部分的な改修か、全面的な改修か
居抜き物件だからといって、必ずしも安く済むとは限りません。もし、自分のお店のコンセプトと、既存の内装や設備が大きく異なっている場合、大規模な改修が必要になることもあります。例えば、厨房の位置を大きく変えたり、間取りを根本から変更したりする工事は、配管の移動なども伴うため、費用がかさみます。そうなると、結果的にスケルトン物件からつくるのと変わらない、あるいはそれ以上の費用がかかってしまうケースも考えられます。居抜き物件の良さを最大限に活かすには、どこをそのまま使い、どこにお金をかけて新しくするか、計画の段階でしっかりと見極めることが大切です。
トータルコストで考えることの重要性
物件選びは、単純な工事費用だけで判断するのではなく、トータルコストで考えることがとても重要です。例えば、居抜き物件は工事期間が短く済むため、オープンまでの間の家賃(空家賃)を節約できるという見逃せない利点があります。早く営業を始められる分、早く収益を得ることができます。また、物件取得時にかかる保証金や礼金、仲介手数料なども含めて、全体の資金計画を立てる必要があります。将来的な修繕費用も視野に入れておくと、より安心です。自分の事業計画や予算、そしてどれだけデザインにこだわりたいかという想いを総合的に考えて、自分に合った物件の形を見つけていくことが、成功への近道になります。
理想のお店づくりを成功させる設計会社の選び方
居抜き物件を最大限に活かし、理想のお店をつくり上げるためには、信頼できるパートナーである設計会社の存在が欠かせません。デザインの提案だけでなく、予算の管理や様々な手続きまで、お店づくりの道のりを一緒に歩んでくれる心強い味方です。では、たくさんの会社の中から、自分に合った一社をどうやって見つければ良いのでしょうか。ここでは、設計会社を選ぶ際に大切にしたい3つのポイントをご紹介します。
店舗設計の実績は十分にあるか
まず確認したいのが、店舗設計の実績です。住まいを設計するのと、お店を設計するのとでは、求められる知識や経験が全く異なります。お店には、お客様が快適に過ごせる空間づくりはもちろん、スタッフが効率的に働ける動線、そして売上につながるような魅力的な見せ方など、商業施設ならではの視点が必要です。また、飲食店、美容室、クリニックなど、業態によっても設計のポイントは大きく変わります。自分が開業したい業態の設計経験が豊富な会社を選ぶと、より的確な提案が期待できます。会社のウェブサイトで過去の実績を見たり、直接話を聞いたりして、デザインの方向性が自分のイメージと合うかどうかも確かめてみましょう。
費用や工事の管理まで一貫して任せられるか
設計会社には、デザインだけを行う会社もあれば、その後の工事の見積もり取得や業者の選定、工事が計画通りに進んでいるかの管理まで、一貫してサポートしてくれる会社もあります。特にお店づくりが初めての方にとっては、デザインから完成までをトータルで任せられる会社の方が安心です。予算内で質の高い工事を行ってくれる業者を見つけたり、工事中に予期せぬ問題が起きたときに対応したりと、専門的な判断が求められる場面は少なくありません。設計会社が窓口となって全体を管理してくれることで、オーナー様は開業準備に専念することができます。
担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさ
最終的に、お店づくりは人と人との共同作業です。どんなに素晴らしい実績を持つ会社でも、担当者との相性が合わなければ、想いをうまく伝えられず、満足のいくお店づくりは難しいかもしれません。初めての打ち合わせでは、こちらの話を丁寧に聞いてくれるか、専門的な内容を分かりやすく説明してくれるか、そして何よりも気軽に質問や相談ができる雰囲気があるか、といった点を感じ取ってみてください。これから長い時間をかけて一緒にお店をつくっていくパートナーとして、心から信頼できるかどうか。その直感も、とても大切な判断基準になります。
ウエムラデザインがお店づくりで大切にしていること
私たちウエムラデザインは、ただおしゃれな空間をつくることだけが仕事だとは考えていません。オーナー様が抱くお店への想いを形にし、そのお店が地域の方々に愛され、繁盛していく未来までを見据えながら、一つひとつの仕事に丁寧に向き合っています。ここでは、私たちがお店づくりにおいて大切にしていることを少しだけお話しさせてください。
デザインから各種申請までワンストップでご提供
お店づくりには、デザインや工事以外にも、物件の調査や法律の確認、役所への様々な届出など、多くの手間と時間のかかる作業が伴います。私たちは、こうした複雑で面倒な手続きも含めて、お店づくりの始まりから終わりまで、すべてを一貫してサポートしています。オーナー様が不慣れな作業に頭を悩ませることなく、メニュー開発や人材育成といった、本来の業務に集中できる環境を整えること。それも私たちの重要な役割だと考えています。
現場経験を活かした確実な予算と工程の管理
私たちの強みの一つは、長年の現場監督としての経験です。机の上で考えたデザインが、実際に現場で形にできるのか、予算内に収まるのかを的確に判断し、無理のない計画を立てることができます。工事が始まってからも、現場と密に連携を取りながら、品質や進み具合を厳しく管理します。決められた予算と期間をきちんと守ることは、お店の事業計画を守ることにも繋がります。確実な仕事で、オーナー様の信頼にお応えします。
お店の繁盛までを見据えた設計のご提案
私たちが目指すのは、見た目が美しいだけのデザインではありません。そこで働くスタッフの方々が動きやすく、お客様が心地よく過ごせること。そして、そのお店がしっかりと利益を生み出し、長く続いていくこと。そのために、経営的な視点も踏まえながら、お店のコンセプトや客層に合わせた最適な設計をご提案します。デザインを入り口として、オーナー様の事業そのものを応援し、成功への道のりを一緒に歩んでいく。それが、ウエムラデザインがご提供したい価値です。
まとめ
居抜き物件のデザインについて、変更できる範囲から物件選びの注意点、そして設計会社の選び方までお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
居抜き物件は、初期費用や準備期間を抑えられる大きな魅力がある一方で、前の店舗のイメージや設備の制約といった側面も持っています。しかし、物件の特性をきちんと理解し、信頼できる設計会社というパートナーを見つけることができれば、制約さえも個性として活かしながら、予算内で理想のお店を実現することは十分に可能です。
壁紙一枚、照明一つを変えるだけでも、お店の雰囲気は大きく変わります。どこを活かし、どこに新しく手を加えるか、そのメリハリを考えるのも、お店づくりの面白いところかもしれません。
この記事が、あなたの素晴らしいお店づくりの第一歩を踏み出すための、ささやかな後押しになれば、とても嬉しく思います。もし、お店づくりで悩んでいることや、誰かに相談したいことがありましたら、どうぞお気軽にお声がけくださいね。

